2020年8月15日土曜日

空蝉

  うつせみ、衣を残して逃げ去った決して美人ではないが、慎み深い女性。その抜け殻のような衣を持ち帰り、想いを歌にたくすという、何ともキザな男、光源氏。

 源氏物語の現代語訳は、読んでいて面白いというものとは思えないのだが、千年ほども前に書かれた長編の物語で、日本文学上の最高傑作とも言われている。何が最高なのかは、未だにわからない。恋文に使えそうな和歌も一杯。節操のなさは天下一品の光源氏。こんな時代に子供が出来ても、誰が父親かわからないような混乱ぶり。あなたの子供と指名されれば、その時は逃げないというのが男の矜持、そんな時代であろうか。

 今年見つけた庭の空蝉。ぬけがらという言葉はあまりに芸がない。よく見ると、背中の出口以外は今にも動き出しそうに、生きていた姿そのままに目があり手足があり、それでいて死骸ではなく、抜け殻であることが信じられないくらいに命を感じる。

 抜け出した命の鳴き声を聞きながら、スイカにトウモロコシ、今年の夏は暑い。


立憲民主党だか国民民主党だか知らないが

  どれも旧民主党の残党。名前を変えて合同しようが分離しようが、嘘つき民主党のイメージは拭い去ることはできない。マニフェストを、命がけで達成すると街頭演説を行っていた最後の民主党党首、野田もまだ生きている。何も出来なかったミスター年金、長妻もまだ健在。数か月前に、委員会でレンポウと呼ばれてムッとしていた蓮舫も健在。消費税増税にNO!と言わなかった民主党の連中は、自民党主導の世の中が変わるかも知れないという、かすかな期待を完全なまでに裏切った。政治資金を流用していた前科者の辻本も、あの歳にもなって、母親から月に一千万円の小遣いをもらっていた鳩山由紀夫も、数え上げたらきりがないくらいにろくでもない連中が揃っている。枝野幸男?一番印象に残っているのは、東日本大震災の原発事故の際、息子夫婦が孫を連れて、慌ただしく海外に出張したという噂。あれは本当だったのか。当時、慶応幼稚舎の園児たちのうち、まぁほとんどそうだろうが、金持ちは全て国外に退避したらしい。枝野は当時官房長官として『国民』には安全だと言いながら。

  日本人は物事を忘れやすい国民だという。しかしあの安倍ちゃんの言う悪夢のような民主党政権を、いくら国民が馬鹿でもまだ忘れてはいない証拠がその支持率。おかげで今の蜃気楼のような安倍政権の安泰を、しっかりとサポートしている。たとえ新党の成立がなったとしても、分裂、内部抗争と足の引っ張り合いで疲弊していくだろう。民主党とその残党たちに一番必要なのは、旧日本軍と同じで、負けた理由をしっかりと考えること。まともな総括もせず、安倍ちゃんがおかしくなったからオラたちが・・・なんて甘い考えで国政に臨むことは、決して許されるものではない。

 こんな国の国会議員の要件は、親父も親戚も政治屋であること、無能であること、弁だけは立つこと、自分と自分に近い者の利益を優先し、他は黙殺すること、などなど、官僚の要件と合致する部分が多い。その官僚に、立ち上がれないほどのダメージを受けた旧民主党の連中は、その対策さえ考えていないだろうから、たとえこの先政権を取ることがあったとしても、同じ結果を招くだけだと思う。 したがって、彼らは信じるに足らない。