梅干を漬け込んで数日、澄んだ梅酢が上がってきたら重しを減らして梅雨明けを待つ。時折梅酢の濃度が均等になるように、ポンプを使って攪拌する。昔のような塩分濃度の高い梅干を漬けている分には心配はないのだが、10%前後くらいからカビの発生に気をつけないと取り返しがつかなくなる。
久しぶりに時代小説を離れて、大沢在昌を読んでいる。新宿鮫シリーズは読み終えて、氷の森。今読み返しているのは、気になった個所を探すため。最後の数行に通じる個所が、パラパラとめくっていても見つからないので初めから。探偵ものになっても、なかなか新宿鮫の憂鬱から離れられないが、気分転換も含めてパラパラ・・・・・
『人間って、木のようなもの。自分では好きなように動き回っているつもりでも、実際は簡単に動くことができない。都会は森。動いているように見えて、動けない人間たちが、ぎっしりとひしめき合っている。』 そして、
『森があって、皆そこに集まる。鳥や虫たちが餌を取りに集まってくる。緑の葉が繁っていて、花も咲き、実もなっている。どれもが生きている木だと思って一本の木にとまってみたら、その木だけ、その一本の木だけが枯れ木だった。なのに外からは、枯れ木だということが少しもわからなかった。』 『その枯れ木が枝を伸ばし、光をさえぎり、他の木を枯らせ、腐らせていた。』
読み返しながらこの部分を見つけ出し、やっと全体の様子が俯瞰できたように思えた。
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