前橋刑務所の堀に、今年も鴨がやってきた。チビ鴨は9匹。時折虫でも追いかけるのか、チビ鴨が群れを離れると、母鴨がじっとその方を見つめ、また群れに戻ると安心したように泳ぎ始める。
千葉の親戚に、アイガモ(アヒルとマガモの交配種)農法で米を生産している農家があって、毎年その米を食べる。水戸の鯉渕学園でも同じようにアイガモ農法が行われていて、日本農業実践学園時代に訪問したことがある。一年間、田んぼの雑草や虫を取り続けた鴨たちは、最後は食べられてしまう運命にあるのだが、その解体も生徒たちのカリキュラムにある。
江戸時代は米が経済の根幹にあって、今でも豊かな田園を抱える場所は豊かさを感じさせ、その豊かさが独特の価値観を生むものだと思っている。鴨の親子を見ながら、豊かさとは何だろうかと考えるより、ネギをたっぷりと入れた鴨鍋のことを考えている方が幸せな気がする。
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