2018年9月16日日曜日

蜘蛛の糸

  ろくでもない生き方をしていると、この小説を思い出し、わずかな安らぎを得ることもある。

 地獄の苦しみの中、天空から降りてくる一本の蜘蛛の糸。その糸を繰り出す先には誰がいるのか。過ぎ去った日々の懐かしい顔ぶれか、見も知らぬ生き物か。

 その糸にすがる時、どれほどその糸が細く、心もとないものであっても、一緒に這い上がろうとする人たちを蹴落とそうとしてはならないということを日々の心がけとして堅持する。

 それができていれば、こんな思いをしないのだろうが。


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