2018年7月18日水曜日

お笑いはいらない

 NHKの『人体』という番組、やはりタモリの出演で品が下がったと思う。サングラスの下からニタニタと笑っているキャラクターがなぜこの番組に必要なのかと思うのだが、難しい番組を親しみやすいようにという配慮なのかどうかは知らないが、目障りでならない。同じ形は同じ放送局の違う番組でも採用されていて、この男の必要性のわからない番組になっている。

 地上波をサーチすると、芸能人が集まって手をたたいて笑っている番組はどの局でもやっている。バラエティーとはよく言ったもので、国会議員になって、『新幹線のグリーン車にタダで乗れる』と喜んでいたような愚物が世相を評論したり、粉飾決算等で株式市場を混乱させた元受刑者が堂々と自前の意見を披露している。

  『今のテレビは、誰をも満足させようという不可能な希望を持ちすぎるために、誰をも満足させない結果になっている』これは、昭和36年に司馬遼太郎が書いた文章である。そして『製作の濃度を濃縮すれば、きっとテレビは面白くなる』と言っている。繰り返すが、昭和36年、1961年のことである。未だにテレビはそんな不可能な希望を持ち続けているらしい。


0 件のコメント:

コメントを投稿